大学2年生の夏休みに、初めて海外の一人旅をしました。1ヶ月間、バックパックを背負って安宿に泊まってのタイ、カンボジア、ベトナムの旅でした。もう10年以上も前の話です。
当時のカンボジアは、まだポルポト派の残党がいて、タイとの国境も封鎖されていました。そこで出会ったのは、水道や電気などの生活のインフラが整っていない中で暮らす人々や、地雷で手や足がなくて物乞いをして暮らしている人など。ベトナムでは生活費を稼ぐために学校に行けない子供達にも出会いました。
日本に住んでいる自分の生活の常識が通じない途上国の現実に出会い、日本に生まれた自分がいかに恵まれているかということが分かりました。同時に、「途上国の人達のために自分に何ができるのだろうか?」と思うようになりました。
その後、中東、アフリカ、中南米など多くの国々を旅しましたが、途上国の状況は程度の差はあっても構造的な貧しさや飢えの問題を抱えていました。
そして、大学4年生の就職活動で、フェアトレードを行っている第3世界ショップに出会ったのです。
フェアトレードとは直訳すると「公正な貿易」です。通常の貿易では、買う側は品質や安さを追求して、それを作る人々の生活を考えないことが多いと思います。フェアトレードでは、途上国の人々がきちんと食べられて、教育や医療を受けられる賃金を払います。
フェアトレード商品としては食品、雑貨、衣類などが代表的です。農産物であれば、相手先のコミュニティと関係を築いて、環境にも負荷を与えないで現地の農業環境を持続可能なものにする有機農業を進める場合が多いです。それは、先進国の人にとっても顔が見えて安心できる商品を買えることにつながります。
フェアトレードについて知ったのはその時が初めてで、「あ!フェアトレードは途上国の人達に対して日本にいる自分ができることの一つの鍵になるんじゃないか。」とピンと来たんです。結局、卒業までの1年弱の間、第3世界ショップを経営しているプレスオルターナティブでインターンをしてフェアトレードに触れました。
日本では欧米と比べるとまだまだフェアトレードの認知率が低いのが現状です。しかし、日本でもこの10年間で少しずつファトレード自体やフェアトレードを行っている団体についても知られてきていると思います。Bijaとフェアトレードとのつながりについては、また次号で!
フェアトレードについての詳しい情報は、「Fair trade Style」や、フェアトレードを行っている各団体のホームページなどで知ることができます。